「相変わらずオタクへの風当たりは強くなるいっぽうだ。このまま児ポ法が
　　　　改悪されたら、俺達は犯罪者街道まっしぐらじゃないか」

「どんなにつらい事があっても、その晩は二次元の天使達の胸に
　　　　　抱かれて眠れば次の日はまた爽やかだというのに……
　　　　　役人だって、アフターファイブの一杯が無ければつらかろう」

「このままでは一部エロ業界の人間だっておまんまの食い上げだ」

「そんな事があって良いはずが無い！ エロゲのせいで本当に犯罪が
　　　　　増えるかどうかはともかく、とにかく無ければ俺が困る！！」

「また世間一般の風当たりの強くなるようなことを……」

「ということで、一体どうすればこの悪法から逃れられるかを
　　　　　色々考えてみた」

「お前も好きだよな、脱法を空想するの」

「まぁ、妥当なセンとしては、美少女キャラにちんちんを付ける」

「いきなり濃いなオイ」

「もしくは、人外萌えとか……まぁ、ちょびッつのちぃみたいなの」

「まぁ秋巳きゅんにしろ、ちぃちゃんにしろ、どっちも明らかに
　　　　バレバレという点では少し危ういぞ」

「熟女萌えに転向するのもツラいしな……」

「芸術品の類はセーフらしいから、いっそ芸術品っぽいアプローチで
　　　　流通させてみるとかは？」

「エロ絵の展覧会……なんかヤだぞソレ」

「それじゃあ、もうスッポンポンじゃなくてもヌけるようにするとか、
　　　　そういう風にすればいいじゃないか」

「できるけどダメだ。やはり刺激のある構図が無ければダメという日も
　　　　　あるわけでさ……」

「できるんだ……」

「まぁ確かにタバコじゃ物足りなくて大麻に手を出すのはよくないが、
　　　　　エロゲ否定に科学的な根拠が無い以上、俺はダダをこね続けるという
　　　　　方針でいくぞ」

「じゃあ、もしエロゲが脳に幼女を襲うように仕向ける作用があるとか
　　　　判明したら、お前はどうするつもりだ？」

「最悪、そうなった時の為に手段はちゃんと考えてある」

「ええっ！？」

「山田、以下の図を見てもらおうか」

「バ、バラバラだ……！」

「そして、これをペイントソフトで組み立て直して微調整する」

ガッキーン！

「ちょっとアラがあるが、この技術を洗練させれば
　　　　　あらゆる場面で言い逃れができるはずだ」

「確かに……単体では全く意味の無いパーツだからな」

「これぞ手塚治虫先生が伝えたまんがの極意、『まんが記号説』を
　　　　活かした、二次元ならではの抜け道といえよう」

「だがナカジマ、こうなると未来のエロゲーは、まず自分でCGを
　　　　組み立てる作業から始めなきゃいけないぞ」

「いきなりひでぇネタバレだな。なんか、ゲームであると同時に
　　　　　混み入ったガンプラみたいな……」

「エロゲ好きが、みんなコラ職人になってしまうぞ」

「でも、昔のエロゲーマーは『コマンド入力』でエロゲーをしてたんだぞ」

「コマンド入力？」

説明しよう！ 『コマンド入力』とは、ゲームを進める際にキーボードで

指示を入力（『ミル　マド』『シラベル　ユカ』など）して進めて行くという

鬼のようなシステムのことである。ちなみに、俺はやったことない。

「一文字でも正解のコマンドを間違えてしまえば、全く先に進めない
　　　　アルティメットクソゲー。昔の人はデバッグって知らないのかな」

「そう考えると、なんだか今のエロゲーが楽過ぎる気がしてきた」

「いわば、地球環境が悪くなってきたから、めんどくさいリサイクルとかして
　　　　ゴミを減らしましょう、みたいなノリと同じなんだよ」

「えらく遠回りな例え話をするな……」

「エロ漫画とかも最初はバラバラに切ってあって、それをパズルみたいに
　　　　　繋いで一本の漫画にするんだ」

「そこまでしてエロ漫画が読みたいのか？」

「俺は読みたい」

「まだまだ日本のエロ文化も滅びる気配は無さそうだな……」