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2006/4/15


「いやいや、久しぶりにAngel Jukeboxを聴きましたよ」

「アニプリのサントラだったかのう」

いつ聴いてもぶっさいくな曲ですよね。たまらんです」

「オイオイ! ぶっさいくは言いすぎじゃないか?」

「しかし、あれを形容する言葉はヘタレでは生ぬるい

「しかし、そのぶっさいくさはシスプリにおいてはむしろプラスなのだ。
    なまじ上手く歌ってしまったが故に妙に浮いてコケている
    水樹奈々
というパターンもある」

「あの、望月久代の絶望的な歌唱力むしろたまらんのだ」

「『あさきゆめみし』とかは、かがずゆみ氏が今や
     しずかちゃん役
というのを思うと笑いが止まらんですな」

「もうシスプリというのも懐メロの領域に入りつつあるな……」

「ちょっとした昔話ですよねぇ。曲のコードなんか聴いてても、
     いかにも旧世代感
がある」

「ただ、聴いてて妙に落ち着くのはその、5年程度前のコードだな。
     やっぱり、今でもAIRのサントラとか聴けるし」

「ノスタルジーですよね、一種の……そういえば副隊長、
     小林由美子も、もう」

「言うなナカジマ! 山田が居る所でそんな事を言うもんじゃない」

「あっ……そうか。山田、すまんかった……」

「別に良いよ。結婚ぐらい、よくある話さ。それに……」

「それに?」

中に人なんて居ないんだよナカジマ。小林由美子の声は
    確かに衛に似てはいるが、衛本人ではない」

「山田、お前……」

「相当ショックだったみたいだな……」

「ううっ……中に、中に人など……!!」

「個人的に、シスプリ声優最後の砦はもっちーかな」

「望月久代が妊娠とかしたらワシだったら泣くな」

「全くですよ……花穂が子供に授乳してるだなんて、
    ビジュアル的に誰も考えられるものじゃないですよ」

「うるさい! 衛だったら考えうるのか!?

「いや、決してそういう話をしているわけでは……」

「同人誌における衛の搾乳率が妙に高いのはなんでだろうな」

アンビバレンツの美学ってヤツじゃないですかね……」

「何がアンビバレンツだ!」

「しかし、やはり下ネタと女の話、そして妹の話は最高の話のサカナだな」

・・・

シスプリ者のもっぱらの再就職先となっているローゼンですが、
    ようやくこの二者に共通する項目を見つけましたよ」

「なんと、そんなものがあったのか」

「図書館で澁澤龍彦の『少女コレクション』ちゅう本を見つけまして」

「お前もそういうアングラくさい本見つけるの得意だよな」

「まぁ『妹』と『ドール』に直接の共通点はありませんが、この2つは
    共に男の理想として説明されてましたね」

「詳細よろしく頼む」

「端的に言えば、人形に対する愛情と近親者に抱く愛情というのは、
    自己愛を志向するという点において似通っている
のさ」

「もうちょっと漢字を減らして説明してくれよ」

「だから、自己愛から発する愛情というのはだな、意思を持たない人形や
    自分の鏡となりうる近親者に向けられやすいものなのだ」

「それだけではいささか共通項が不足してはいないか?」

「後は、そうですね……人形愛、近親相姦、共に神話のテーマに
    なったものです。自分の作った人形を偏愛したピュグマリオン、
    近親相姦のシナリオの方は数多くあります」

「シスプリとかもメタな次元で話すると妙に薄ら暗い話だな」

「あと、シスプリの雛形みたいな話が文学には沢山あったようだ。
    夢野久作、『瓶詰の地獄』は、孤島に漂流した兄妹の物語だ」

正にプロミストアイランド……まさかウニメに、文学的下地が!?」

ウニメに文学的下地……にわかには信じられんな」

「みさくらなんこつのシスプリ同人誌『ビンヅメシスターズ』って、
     もしかしてここから来てるのか?」

「まぁみさくらなんこつ氏もそこそこメジャーな絵描きであるからして、
     ある程度の文学的素養があると見ても良いんじゃないか?」

みさくらなんこつに文学的素養……にわかには信じられんな」

「いや、頭がおかしい仕事ができる人は頭が良いもんだ

「えらい難儀な話ですな……」

「あと、近親相姦というのは貴族的なものらしいな。特権階級に
    許された背徳、ユートピアって所だ」

シスプリが基本的に巨大な財力をバックに進行してるのは、
    そういう意味があったのかな」

「『天使のしっぽ』との相違点に主人公の財力を挙げた
     架神恭介先生の意見は、あながち無視できるものではなかったのだ」
    (『本気で薦めるシスプリ論』より)

「いやしかし、シスプリにここまでの掘り下げ甲斐があるとはな……」

「もうシスプリというのはおよその人間の業が詰まってるわけですよ。
    まぁ、そりゃ流行もするわなといった具合です」

「普通に萌えてるだけの人が聞いたら青ざめるような話だな」

この話をシスプリ全盛期にしたかったよもう。

今となっては語る相手甚だ少なし……」

「さっき「澁澤 シスプリ」でググッてみたら、シスプリ世界で
     名が通っているこの方この方が引っかかったよ」

「つまり、お前が見つけて狂喜していたシスプリのルーツみたいな話は、
    既に全盛期、高名なシスプリャーによってされていたんだよ」

「上海さんなどは、柳田國男にまで言及しているぞ」

「俺がやったのはお粗末に後を辿っただけか……トホホ」

大体世の中ってそんなもんだと思うぜ。よかったじゃないか、
    これでまた一歩濃いシスプリ好きに近づけたんだから」

いかにして誰よりも濃くなれるか? これぞ正に、オタ道楽の真髄!」

「この掛け合い、ぶっちゃけて言えば中の人の脳内での出来事を
    書き写してるだけ
なんだが、あれだな……結局、最高の語り相手って
    自分自身
じゃないのかなと最近思う」

「またミもフタもないことを……」




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