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2006/3/24


「うーん、困ったな」

「どうかしたのか?」

ローゼンメイデンのSSを書こうと思うんだが、思うように
     捗らない」

「困ったな。上級絵師が圧倒的な割合を占めるローゼン同人界に
     入るには、もはや文章産業しかないというのに」

「シスプリ時代に培ったキャラコレ文体も、どうも馴染まなくてな……」

「まぁ、シスプリほど可塑性に富んだ素材も無かったしな。
     ローゼンでは創作の勝手が違うのは否めない」

「三人称で書こうと思っても、スムーズに書けない」

「やっぱり勉強不足だからじゃないか? 最近小説読んでるか?」

「いや全然」

「いくらなんでもそりゃムチャだろ……」

俺小説って好きじゃないんだよ。面白くないだろ、あれ」

「それでよく小説を書きたいなんて言い出すな……」

「尺の余裕とか技量の問題とかを考えると、小説に行き着くんだよ」

「このコントみたいなノリでローゼンができればいいのにな」

「アイコンコントは簡単だが、何故か美少女キャラというのは
     コントでは使い辛い。大体、お笑いの世界は女人に厳しいのだ

「わし的に面白いお笑いの女性といえば、まぁオセロと山田花子か。
     後はしずちゃんとかかな」

「女のお笑いって難しいですよ。個人的にアジアンなんて
     ひたすら痛々しいだけにしか見えませんから」

「『笑う犬』とか『ごっつええかんじ』とかでは、女の人というのは
     笑い要員というよりかコントに華を添える感じで使われるな」

「まぁお笑い論はさておき、小説ですよ……」

「とにかくお前の表現したいものが小説に求められるというのなら、
    イヤでも小説を勉強するしかないだろ」

「しょうがないな……本屋に行くか」



・・・



「とりあえず2冊買ってきた」

「オイ、陰からマモル! はいいとして、もう片方は
    ただのエッセーじゃないか

エッセーは好きなんだよ。辛酸なめ子先生の『消費セラピー』とかは
     笑わせてもらったよ」

「とりあえず、何故に『陰からマモル!』なのだ?

文体が良い感じに力んでないのが好感が持てます」

「そんなに読み比べて買ったのか」

「とりあえず有名どころは全部2ページずつ読んだ」

「お前絶対小説ナメてるだろ」

「そんなことはない。名著というものは書き出しでわかる……
     俺はそう信じているぞ」

「とりあえず中の人のお気に入り小説を並べてみようか」

「どうしてもサブカル臭がする本ばかり買ってしまうようですね」

「グミ・チョコレート・パインは、初っ端からオナニーに関する
     ウンチクが並べられる
というバカッぷりが素晴らしい」

「どうしてあんなにライトノベルが出版されているというのに、
    有名どころでアタマからオナニーについて語る本が無いんでしょうか」

「そんなに重要なのか?」

「俺はこんなにスゴいツカミの本は他には知らんがな」

「同人とはいえ理想は高く! やはり、ありふれた文体ではなく
     個性的な文章で魅せたいと思うな」

「別に『ライトノベル』という括りを軽蔑しているわけではないが、
    しかし、やはり作品の殆どが似たり寄ったりというのはどうかと思う」

「キャラの描き方が画一的だな。例えば『ハジケキャラ』なんて
     全部九品仏大志辺りのパクリみたいに見える」

「美形で機敏で格闘技が強くて物知りで口調が偉そうなやつですね」

「大体クラスに1人ぐらいそういうのに心酔するオタクがいて、
    そいつの
似てない大志のマネに辟易するんだ」

「その辺のイタさを見事に描いた『げんしけん』はエラい」

「まぁとにかくオリジナリティという辺りで『陰からマモル!』になったわけだ」

「これは結構キてますね。1ページ目からちゃんと女の子の可愛さが
    わかる
というのが良い」

なかなか可愛らしい女の子だ。 ほっぺたはふっくらしてるし、
    目はくるんとしているし、耳たぶはプルンとしてるし、頭だって悪くない

細々と描写するよりか、こういう風に感触みたいなのを伝える方が
     カワイイという好例だな」

「まぁその文体が果たしてローゼンに適応できるかどうか
     わからん所だがな……」

「隊長も要所要所でイタいトコを突きますね。確かにその辺の
     サジ加減は難しい所です」

「どうでもいいけど、なんか俺達軍隊というよりか、
    ただの創作文芸サークルみたいになってるな……」

「今年こそ狙うぜぇ、電撃大賞」

「お前も毎年そんなことを言っては小説を途中で
     ほっぽりだしてるな」

「創作文芸サークルでもいっとうダメな例だな」

「なんとか小説を書かないで物語を描く方法はないものか……」

「ホントに同人デビューできんのかよ……」

「それなら私に良い考えがあるぞ」

「ホントですか隊長!」

前衛的シュール系の作品で、お茶を濁す」

「なるほど、わけわからん作品に適当な設定を作れば
     物語が生まれるという寸法ですね」

「うむ。読者は不可解なものにも必ず物語を見出すというから、
     それは良い考えかもしれんぞ、ナカジマ」

「便器も見立て次第で作品になる世界だしな」

文芸ではなく、アートの領域を目指す。これでめでたく俺も
     クリエイターの仲間入りかしら!」(CV:志村由美)

「一体あんた達はどれだけ敵を増やせば気が済むんだ……」




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