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2006/4/23

「バカモノ! きさま、また軟派な文献を読み耽っているな!?」

「なっ……先輩、居たんですか!?」

『モテる男の極意』だと……? 相変わらず煩悩の多い奴だ」

「いやいや、しかし、コミュニケーションスキル神話のこの時勢、
     モテる男というものには時代を生き抜くセンスというか
     エッセンスというものが詰まっていると思うんですよ」

「もっともらしい事を言うな……」

「それに結構、この類のマニュアルも鼻につく所があるものの、
     生活に結びつく部分も多くて面白い」

「そ、そこまで言うのなら面白い……のかもな」

「相変わらず素直じゃないですね」

何事も食わず嫌いはいかん。俺もそれを読む。
      そして、判断してやろう」

「はいはい……」


・・・


「よし、鎖国体制をやめよう」

「あんた切り替わり早過ぎでしょ」

「だって誰もアドバイスしてくれないんだから試行錯誤するしか
      無いだろう。いつでも『これでいいのか?』と自分の姿勢に
      疑問を持ち続ける事は大切なこと
だ」

「もっともらしいことを……」

「即売会にだって行ってやろう。クラスコンパだって出席してやるさ」

「先輩、こころなしか声はずんでませんか?

「……そんなことはない! いいか、あくまで出席するだけであって、
      そこでいらぬ馴れ合いなどをする気は毛頭無いんだからな!」

「とにかく、行くんですね?」

行ってやるとも!

「つい最近まで『同人活動は禁止!』とまで言っていたのに……」

「小林、つまらん理論にいつまでも振り回されていても仕方が無い、
      よりベターな道を選択して行くのが賢い生き方なのさ」

「というか、前の路線に戻っただけでしょ?」

「だからだな、以前までは『誰とでも仲良くなって楽しくやろう!
      友達百人できるかな?』
という方針だったが、これからは
      『出会う機会は多く持つけど、友達は選ぶ』という方針にするだけだ」

「なんかそれ当たり前の考え方じゃないですか?」

「当たり前の考え方ができてりゃ俺だって苦労してないよ」

非常識人間というのを認めましたか……」

「だからこそ、俺は人間としてランクアップしたいのだ……切実に!」


・・・


「最近『大学生活』にまつわる本をよく読みます」

「確かに、新入生が大学生活の指針を得る事はいいことだろうな」

「で、まぁその中の一冊に『将来の進路の為、自己分析しろ』
     というのが書いてありまして」

「自己分析か……改めてやった記憶はないな」

「そこで、中の人が試しに自分の長所短所を書き出してみました

「なんかそういう作業って、妙に恥ずかしいんだけどな」




■俺が俺に対して抱く長所or短所のイメージ


・長所

物怖じしない 好奇心が強い 向上心が強い 行動力がある

人とは違うものの見方ができる 集中力がある(短時間)

話の幅が広い


・短所

人を見る目が無い 短気 ツメが甘い 冷めやすい

高慢 おおざっぱ 口が軽い 感情の起伏が激しい


・つまり?

短期決戦型



「なんか長所欄は『ホントかよ?』みたいなのが結構あるが、
      まぁとりあえず、ここから何を導き出せたんだ?」

まず短気を直す事。あとは、人を見る目を養う事ですかね」

「なるほど……確かに今までヤケを起こして上手くいった事なんて
      ひとつもない
からな」

「とりあえず人生において一番やっちゃいけない事って
     ヤケを起こす事ですよね」

感情さえあらわにしなきゃ多分ナメられないし、
      うまいこと世渡りできるんだろうな……」

「あとは、良い先輩とか友人とかに恵まれる事が大切ですよね」

「きさま! 俺は良い先輩ではないというのか!?

「あんたもっともらしい事言っていつもスベッてるでしょ」

「うっ……それは、俺の芸風だから仕方が無いというか」

「とにかく、そういう良い人材にぶつかるには積極的に
     人を見る目を養う事が大事なんですよ」

「そうは言っても、人を見る目というのは先天的なものだろう」

「そうでもないらしいですよ。やっぱり、人と多く交わってる人が
     よく他人を見ることができるらしいです」

「よし、これで鎖国体制をやめるというのにも言い訳が立つな」

「あんたって人は……」

「誰もわかりはしないのだ……自分ひとりで、自分をどうすれば
     より良く磨けるかというのを考える事の難しさ
をな。」

「先輩、意見を二転三転させる人はかっこわるいですよ。
     今回の参加中止宣言の撤回で、またどれだけ信用を失ったか
     わかりますか?

損して得取れ! 確かに男子に二言は無い……しかし、俺に
      二言はクサる程ある
……だからこそ、二言を言わない男に
      なるために今は頑張らなくてはいけない時
だろう」

二言を言わないから良い男なのか、良い男だから
     二言を言わないのか
って話ですけどね」

卵が先か鶏が先か論だが、俺は人間は心がけ次第で
      なんにでもなれるというのを信じたい」

「そういう所はまた無駄にポジティブですよね。

「だからだな、自分との会話が大事だからといってヒキコモリの
      ボッチになる必要は無いのだ。ようは、ただ昼メシを一人で
      食べるのが寂しいからだとか、そういう下らない理由で
      無闇に群れたがるのをやめようということだ

「最初の勢いはどこへいったのやら……」

「小林よ、これからは自分の師匠を探さなければならんよ」

「師匠……まぁ、確かに一人で落語家にはなれませんわな」

「そういうことだ。これからは積極的に社交の場を持つぞ!」

「やれやれ……やっと落ち着いてきたか」

「ただ、くれぐれも言っておくが、決して『つるむ』な!
      天才岡本太郎にも友達は居たが、しかし、それはあくまで
      互いの芸術論を交わす為の石だったという事を忘れるなよ」

「はいはい、交友範囲は狭く深く、ですね?」


・・・


「早速、師匠が見つかりましたよ!」

「早いな! どんな人なんだ?」

「とてもアツい人で、この人についていけば間違いない
     みたいなオーラ出してますよ」

「一度見てみたいものだな」

「写真ありますよ?」

「おお、見せてくれるか?」

「ちょっとおじいさんなんですけど、こんな人で……」


















「……悪いこといわないから、今のうちに戻ってきなさい」




多分つづかない。


・・・

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