■コラム「人生ファールフライ」■

「面白いことをやりたい、そしてその姿を誰かに伝えたい……!」

このコラムには、そんなネタに生きたい男の生活が綴られている。

第一節
・水銀燈、ニンテンドーDSを買いに行くの巻
・僕の中の翠星石とマリー・アントワネットの巻
・うれしはずかし入学式の巻
・自炊をしようの巻


2006/4/17

とりあえず大阪を離れ、俺も進学の為に東京で一人暮らしか……と

思いきや、親父の東京支社転勤が決まった事によって、

俺は親父と奇妙な二人暮しを始めるのであった。


毎日親父とはつかず離れずの生活をしている。食事の時にボチボチ会話は

するが、それ以外の時は大体親父はリビングでテレビ、俺は自室で

映画鑑賞という状態である。


風呂掃除以外の家事一切は親父がやってくれるのでありがたい。

親父は料理が妙に上手いので、メシの面では特に助かっている。

24時間自由にAVとアニメが見られる環境でないというのはいささか面倒だが、

まぁしかし適度に自由な環境で適度に保護されているというのは

中々住み心地が良い。


しかし、時折は親父が夜遅かったり俺の帰宅が昼だったりする時があって、

その時は食費削減という名目の下、自炊をすることになる。


料理は好きである。別に得意ではないが好きである。

スーパーの食材を見ながら調味料をアレコレ考えて工夫するのは

どこか創作に通じるものがあるのだろうか?(もちろん食器洗いは大嫌いだ)



ある日の晩御飯。

・鶏とキャベツのガーリック焼き

・きのこのソテー

・納豆


中々できばえは満更でもない。というか、ヘタするとうちのオカンと

ほぼ同じクオリティである。その事に気付いた時、俺は戦慄した。

もしや、俺はオカンを超える料理人になるのではないか……と!

(ちなみに、うちのオカンは家事の中で唯一料理だけがダメである)

計算(?)された栄養バランス! 濃過ぎない味付け、

なるほどウンコもバッチリである。自分の裁量で作れるヘルシーライフ、

俺は自分の技量とセンスにちょっとうっとりした。


ちなみに俺のキャパシティというのは炒め物全般であり、

煮物辺りは作ったことが無いし魚の焼き方も知らない。

いわばメラを覚えたばかりの魔法使い、もしくは

ガンタンクを作ったばかりの地球連邦軍といった風情なのであるが、

調子に乗ってしまう性分だけに、いちいち料理が出来るのが嬉しいのである。



・焼きうどん……のつもり。


が、もちろん失敗する時もある。


味覚のイメージをしくじった。焼きうどんの具に選んだのは

・もやし ・しいたけ ・にんじん ・しめじ である。

冷蔵庫にあったものを適当に投入して作った料理であるが、

その味、見た目、共に鳥のエサにもならんような代物であった。

微妙な具材の味の混ざり具合が不協和音を奏でる、

デキの悪い学校給食のようなていである。



このうどんを完食した時は、なんだか腹の奥から生焼けくさいシイタケの

臭いがこみあげてきてゲンナリしてしまった。

おやつのつもりで買ってきた特売品のカップあんみつが口直しになったが、

人生で初めてあんみつが神々しく見えた。



かくして、ここから俺の料理人伝説が……始まらない。



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