「えらく久しぶりですね、隊長……」

「お前達が最近エビちゃんとかひょうすべとかばっかりで、
　　　　　全然ローゼンの話をしないのが悪いのだ。

「隊長殿は、確か我々にローゼンを叩き込む為に来たんですよね？」

「そういえばそんな設定もあったな……」

「今回集まってもらったのは他でもない。今後このサイトが
　　　　　どういう風にローゼンと関わっていくかだ」

「なるほど、ローゼンサイトとしてのキャラ立てですね」

「アイコンコントの評判が概ね良いのはわかるんだが、しかし、
　　　　　大部分の読者はやはり萌えたいと思うんだな」

「ウチは基本的に『萌え』からは非常に遠いからな……」

「まぁ萌えとかは無いにしろ、ローゼンキャラが出ないのに
　　　　　どうしてローゼンサイト支援なんだという具合であり……」

「まぁマトモにローゼンやった記憶が全然無いですよね」

「これは非常に良くない。やっぱり、ただ萌え日記書いてるユーザーと
　　　　　絵とか小説とか描いてるユーザーのどっちに求心力があるかと
　　　　　言えば、後者の方があるに決まっているのだ」

「まぁあまりこういう場面で『戦略』とか言い出すのもちょっと
　　　　商業的でヒクかもしれんが、そこはこらえてくれよ」

「何を言うんですか副隊長、僕達商業主義大好きじゃないですか」

「商売気無いのに商業主義？」

「モノを売るばかりが商業主義ではないよ」

「で、まぁ、これからどういう方針でサイトを立てて行くかだが……」

「翠星石が良いんじゃないすか、人気も高いし」

「却下だ！」

「ええッ！？」

「ワカッてないな山田。お前は新しくコンピューター会社を作る時、
　　　　マイクロソフト社やアップル社を競争相手に出来るのか？」

「翠同人は茨の道。もうちょっと別の所を攻めないと正直しんどい」

「水銀燈辺りも却下ですかね……」

「基本的にドールズは全部ダメだと思って良い」

「そんな無茶な！」

「とりあえず、候補をピックアップしてみましょうか」

・梅岡

・おじじ

・のり

「誘導尋問じゃねぇか……」

「のり……かな」

「のりですね」

「よし、のりだな」

「トゥモエとかJUMとかはどうした！？ みっちゃんは！？」

「軍人は質問にだけ答えれば良いのだ！」

「普段全然軍人っぽいことやってないのに……」

「ヨォーシ、頑張って来る『まきまき４』に向けて、のり部門の
　　　　制覇を目指すぞ！！」

「積極的なんだか消極的なんだか全然わかんねぇよ」

「才能が無い奴はニッチを狙えと昔から相場が決まっているのだ」

「『ローゼン　のり』と『ローゼン　翠星石』でイメージ検索すれば、
　　　　　両者間におよそ１４倍の差が出るという結果が出ています」

「むぅ、およそシャア５人分か……」

「ガンダム２．８機分ですかね……」

「でも需要が無いじゃないですか。確かにスキマ産業を見つけるのは
　　　　　いかにも商業主義ですが、しかし需要が無くては始まりません」

「私のハナは、既にローゼン読者の胸の奥にたぎるのり欲を
　　　　　嗅ぎ付けているぞ」

「山田……のりが嫌いなローゼニストがいるわけ無いじゃないか」

「また流行らなさそうな造語を……」

「今度のローゼン即売会でのり本出てたら無条件で買うよ」

「読者のみんなも、のり好きだよね！」

「……誰もイエスと言わなかった場合、その世論をどう受け止める？」

「いや、世論を捏造してでものりをやるよ」

「山田、ナカジマ、我が隊の三ヶ条を言ってみろ」

「はい。悪ノリ、悪酔い、悪あがきです」

「お前それ今考えただろ」

「とにかく、のりだ！ 本日はこれで解散、次回に向けて、
　　　　　具体的なのり計画を考えてくるように」

「了解であります」

「お疲れ様でした……」

「一体どうなっちまうんだ……この隊は」