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2006/4/24

「おいナカジマ、山田……本部から転戦しろとの報告だ」

「えっ? これからシスプリポータルの作成じゃないんですか?」

「それは考察が落ち着いたから少し休止して良い。
     我々は、『夢の中の庭師』に向けて作品を作らなければならん」

「……うちの国って、確か『同人禁止』の法律できてませんでした?」

状況が変わった。これからは、同人やっても馴れ合うなという事だ」

「全く……上の考えている事はわからんな……」

「とにかく、オフセ本じゃないわけだから締め切りは5/5当日まで
     ある……とはいえ、およそ10日間しか時間は無いわけだが」

「いきなり修羅場ですねぇ」

いちいち思いつきが急だからこういう難儀な事態になった。
     お前達には悪いが、頑張って欲しい」

「しかし隊長、ご存知の通り我々はローゼンに関してはまだヒヨッ子。
    どんな創作をすればいいのかよくわかりません」

「そうですね……我々はいわばまだ『萌えてるだけ』のライトユーザー。
    ローゼン市場も成熟し切っている今、半端な作品は
    物笑いのタネになるだけです

「確かに……とりあえずお前達には兵法の基礎、というか、
     ローゼンメイデンの基本設定についての解釈を教えてやろう」

・・・

「ローゼンメイデンとは、『完璧であることを宿命とした7体の
     ドールズ達の戦い』
である」

「まぁまず命題ですよね」

「で、まぁこの命題を掘り下げて行こう。まずは『戦い』という部分だが、
     私はここにローゼンメイデンを解釈するきっかけがあると思う」

「戦い……えっと、真紅が言うところの『生きること』ですか?」

「うむ。『アリスゲーム』とは、単なるドールズのドンパチではない。
     『真紅のやり方』というのもまた、ローゼンメイデンがアリスに
     なるのには必要な事なんじゃないかなと思う」

「バトルしないのもアリスゲームの一環だと?」

「ドールズ達は半永久的に生き続け、様々な人間と契約を通して
     経験や記憶を重ねていく。つまり、人と出会い、学び、心を養う事もまた
     アリスには必要な事なのだ」

「なるほど確かに、それならどうしてわざわざローザミスティカを
    七分割したのか
という事についての説明もつきますね」

「え? 最終回の薔薇水晶みたいになるから分割したんじゃないのか?」

「そのセンもあるが、私はやはりそれ以外の理由だとニラんでいる。
     7体のドールにひとまず命を吹き込み、そして、アリスゲームを通して
     ドールズを成長させる……その為の分割ではないか?」

「そして、その成長したそれぞれの魂を一つに統合した時、
    アリスが生まれる
わけですね」

「そういうことだな。だから、主に経験値を溜める為の要員としての
     真紅組
、そして、その魂を統合する為のバトルを仕掛ける要員に
     回ったのが水銀燈(金糸雀?)
ということだろう」

「真紅と水銀燈、どちらの考えもアリスゲームには不可欠だと」

「そして、ローゼンのもうひとつのテーマというのはドールズに
     関わる契約者の成長物語だろうな」

「ビルディングロマンスってやつですね」

「この、ハートフルなドラマ展開も見逃せないな。トロイメントでの
     雛苺のアレが心の琴線に触れる
のも、このテーマに迫った
     シナリオだったからだともいえるだろう」

「トゥモエがなぁ……ううっ」

「PEACH-PIT先生の作品『DearS』が『異星間交流』だとしたら、
     さしづめローゼンは対物質交流とでもいうか……」

「なんかロマンが無い呼び方ですけど、まぁとにかく2つの作品は
    一見異なる存在同士が心の底に通じる繋がりを通して、
    絆を軸とし、強くなっていく物語ということですね」

「ああ、DearS読んだことないから必ずしも同じとは言い切れんが……」

・・・

「とりあえず一通りのレクチャーは済んだんですけど、あんまり
    イメージが湧きませんね」

「そうですね、コミックスを読んで士気を高めてはいるものの、
    インスピレーションがこない」

「やはりシスプリとは土俵が違うな」

「いきなり芝ばかり走っていた馬にダートを走らせると
     大変だって事ですかね」

「またビミョーな例え方を……」

「確かに物語の解釈だけではいまいち創作には繋がらんかもな。
     シスプリはキャラの解釈から入れるから創作も弾むんだが」

「だから、一人称表記の裏に隠れた白雪の内弁慶さを見抜いて、
    それをベースに創作してニヤリとするのがシスプリ同人の
    快感
でしょうが」

「いきなり濃いシスプリ話に持っていくな!」

キャラクターのイジりづらさは創作にとっては大きな壁だからな。
     あまり突飛な作品改変はすべきではないというスタンスでは
     ローゼン同人は鬼門かもしれん」

「同人的改変・解釈と原作準拠のせめぎあいってトコロですね。
    やっぱりいきなり自由度の高い所から入ると苦しいですね」

「軟式テニスに慣れると硬式テニスができなくなるとでもいうのかな」

「隊長、とりあえず言い訳がましいたとえ話は置いておいて、
    本格的にシナリオ考えないとマズい
ですよ」

「そうだな……ここはひとまず、解散だ」

・・・

「とりあえず、まぁ、今回はCD-Rの販売なんだよな」

「なんで製本しないんだ?」

コスト削減……というか、アイコンコントも収録するつもりだからな。
     紙媒体でアイコントをやるのは厳しすぎる」

「まぁ紙ならコピー1枚するのも10円仕事だが、CD-Rならインク代と
    CD代だけで済むんだからローコストだろうな」

「で、まぁこの前アキハバラでCD-Rを大量に買い込んだわけだ」

「どれどれ……50枚組で700円台か。これは安い」

「試しに使ってみたが悪くない。ただ、ひとつ問題がある」

「何だ?」

「……ラベル印刷できないタイプを買ってしまった」

「オイオイ! ラベル印刷がないデジタル同人なんて、
    ぶっさいくにも程があるぞ!?

「すまん、その時は安さに条件反射的に反応してしまってだな」

「全く……どうするつもりだ。生CD-Rと同じ外見だったんじゃあ、
    これから製作するCDと家族のデジカメ写真集を間違えてしまう
    購入者が出てきてしまうじゃないか」

「うーん、やはりここはひとつ、一枚一枚手書きのラベリングを
     CD-Rに施すべきだろうか」

「……ビンボーくさくないか?」

「だが仕方が無い。流石に何も書いていないCD-Rでは本当に
    家族写真入りのCD-Rと間違えられてしまうかもしれないではないか」

「何を描く? 油性マジック一発書きで、イラストは難しいぞ」

「……サインとか?」

「そんなもんいらねぇよ!!」

「いや、もうこの際いる、いらんの問題ではないのだ山田。
    とにかく、友達から借りた音楽ディスクとかと間違えられないよう
    あくまで判別の手段として書くのだ」

「中の人のサインをか……?」

「ラベルが白いCD-Rをまた買いなおす程の予算は回ってこないぞ」

「やむなしか……」

「よし、試しに一枚書いてみるぞ」(サラサラサラ)








「テメェ、同人ナメてんのか!!」

「しょうがないだろ! Myサインなんて持ってるわけがない……」

「これをケースに入れて販売? 勝機はあるのか?」

「いや、あんまし……」




「ところでお前ら、印刷媒体はともかくとして、ネタ決まったか?」

「「じぇんじぇん」」

「バッキャロー! ヒゲの心配する前にまずクビの心配をしろっ!!

「……あと10日か……」









「「 (;´Д`) 」」





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