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2006/3/28


「あ! ユングチャンピョンの表紙、しょこたんだ!」

「おい山田、それはしょこたんではないぞ」

「……でも『浜田翔子』って書いてあるぞ」

「山田……まだお前は中川翔子と浜田翔子の区別がつかないのか」

「だってさぁ……」

「……!! 伏せろ、山田!!

「え!? 何!!?」

Stick!!

「うわぁ! 何か壁に突き刺さってるぞ……!?」

「……クナイか。一体誰が」

「お前達が『シスプリ最前線で戦う男達』だな?」

「忍者!?」

「拙者の名前は大平翼。今日付けでこの部隊に配属になった」

「ツバサ……えらく今風の名前だな

「今のはほんの挨拶。まぁそこそこデキるようだな」

「挨拶って……ヘタしたら死んでたぞ!」

「これから背中を預ける相手が雑魚では心許ないからな」

「背中を預ける相手? お前、何か勘違いしていないか

「何?」

「俺達の仕事は殺し合いではない。まぁ、萌える事とか
     語る事
とか、その辺だ」

「その装束と、ピストルは何の為にある」

「趣味だよ」

そんなバカな話があるか! 私は、本部から特命を賜り、
     ここまでやってきたのだぞ」

「特命……? そうか、お前が期待の新絵師なんだな!」

「き、期待の新絵師……?」

「今、ローゼン戦線の彦二さんの隊から『巫女トゥモエを描け』って
     要請が来ているんだ」

「しかし我々には画力が無い。救援しようにも手が出ないのだ」

「本部は私の戦闘力を買っての任命だと……」

「多分その戦闘力というのは画力の言い違いだろう。お前、ところで
    流派はどこだ……伊賀?甲賀?」

「宇賀でござる」

「UGA忍者……?」

ローマ字に直すな! 誇り高き宇賀忍者を愚弄すると痛い目を見るぞ」

「まぁそう威圧するない。お前はそうやってシリアスぶっているが、
     俺はなんとなくお前が面白い奴だって事がわかるぜ

「どういうことだ……?」

「山田、さっき壁に刺さったクナイをよく見てみろ」

「どれどれ……アアーッッ!!











「カブトクナイガン……」

「現代忍者たるもの、常にテクノロジーの恩恵と共に生きねばな」

「面白い奴だな……ホントに」

「テクノロジーも何も、このクナイガンだとワーム倒せないぞ

「何を言う! このクナイガンは銃にもなるスグレモノ。
     見てみろ……アバランチシュート!!








「ズキューン ! ズキューン!」

口で言うな、口で! 全く、幼稚園児かお前は

「くそう、ワームめ! 何故アバランチシュートが効かない」

勝手にワームにするな! 全く、シリアスな奴だと思ったら
     とんだスットコドッコイじゃないか」

「こうなったらキャストオフだ……キュァストオォフ!(声を低くして)

「だからカブトゼクターのシステム音を口で言うなってんだよ」

「全く、この世界にマトモな戦士はいないのか」

「ノリの悪いやつらめ。ゴッコ遊びの楽しさがわからんか

「一応わかってたのね……」

「病気っていうかタダのイタい特撮好きってトコロか」

「ここで豆知識を一つ。カブトごっこをする時、横でテレビをつけ、
     ビデオを再生しておこう。そして、クロックアップする時に
     ビデオの一時停止ボタンを押すと、ホントに
     クロックアップしたみたいに感じられる
ので一度試してみよう」

「なんか疲れる奴が入隊してきたな……」

「仕方が無い。このテのコントでイロモノが増えるのは宿命なのだ。
     クロマティ高校を読めば、なんとなくそれがわかる」

「まぁいいじゃないか。ツバサ君、私がこの隊の隊長を務める
     ルンルンだ。よろしく」

「……ボス!」

「ツバサ、隊長はどっかのアヌビス星人じゃないぞ」

「しかし、今回は特撮ネタ知らない奴みんな置いてきぼりだな……」

「おばあちゃんは言ってた……わかりにくいネタほど面白いってな」

「久米田康冶だろソレ」

「ぬぅ、宇賀忍者とな!?」

「知ってるんですか、雷で……もとい副隊長?」

「様々な忍者達が跋扈する戦国の世、宇賀忍者達はメジャーな
     忍者達の影で屏風のデザインをしたり多才な芸で時の
     権力者を楽しませたという……(民明書房『日本忍者図鑑』より)

「屏風のデザインって、全然忍者の仕事じゃないですよ」

「忍者はタダの趣味だ……というか、本来は忍者だったが、
     副業の絵とかの方が思いの外うまくいって、いつのまにか
     本業と副業が逆転してしまったのだ

「まぁしかし、今の世の中物騒なものよりポンチ絵が喜ばれる。
     伊賀や甲賀はほぼ消えてしまったが、宇賀忍者は全国に
     多数散らばっているしな」

「基本的に自己申告制ですから……しかし、今回の配属では
     ようやく忍者としての宇賀忍が復興できると思ったのに……
     またこんな仕事か

「そう落ち込むな。人を殺すより、巫女トゥモエを描く方が
     楽しいに決まってる
じゃまいか」

「確かにそうだが、私にも忍者としてのメンツが……」

「……実は、お前にはもう1つやってもらいたい仕事がある
     ニンジャであるお前にしかできない仕事だ」

「なんと、そんな仕事があるのですか!?」

「アクセス解析」

  orz

「……現代忍者もラクじゃないな」




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