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2006/4/12


「小林、そういえばお前、まだ同人やってるのか」

「もちろん! マイスタープリンセスは僕の宝物ですから、
     生涯応援し続ける覚悟ですよ」

「とりあえず同人はやめなさい」

「なっ……!?」

「ちょっと唐突で戸惑うかもしれんが、大学生になった今、お前が
      やるべきことは同人ではない
のだ」

「待って下さいよ先輩、百歩譲ってサークル・バイトみたいなのは
     やらないとしても、同人活動もしちゃいけないんですか?」

当たり前だ! そんなことは社会人になってからやれ」

「先輩、僕は高校の頃からずっと原稿を書く時間と出版するお金が
     欲しくて悶々としていました。大学になったら絶対に同人やろうって
     思ってたのに、そりゃいくらなんでもあんまりです」

「小林よ……今はタメの期間なのだ。お前が本気で将来何かを
      作ろうというのなら、この時期に能力を小出しにするわけには
      いかんのだよ

「じゃあ、何をやれっていうんですか」

映画を毎日最低1本見ることだな。できれば2本が望ましい」

「そんな無茶な! 時間もお金も無いでしょう」

「無い時間などどうにでも工面できるもの。金は、どうせ出し惜しみしても
      しょうもない事に使うんだから、ビデオを借りまくって逃げ道を塞げ

「……先輩、実は今度サークル参加する即売会があるんですが」

「残念だが、それがお前にとってひとまず最初で最後の同人だな」

「トホホ……ホントにダメなんですか」

「同人なんぞ、夢破れた時の受け皿にすれば良いのだ。
      今という修行期間は取り返しが付かないが、多分同人は
      しわしわの老人になってからでも始められる
ぞ」

「今しかできない創作だってある筈です」

「今お前がどんなに背伸びしても、できるのは三文小説か、
      はたまた何かの劣化コピー的なイラストに過ぎん」

「ぐえぇっ……」

「小林よ……そりゃお前はなんぼかチヤホヤされるだけの
     技量があるかもわからんが、そんなものは一歩外に出れば
     何の役にも立たない
ものだということをよく覚えておけ」

「その辺りはわからいでもないですね」

同人の世界に蔓延する馴れ合いの空気……確かにそれは
      心地良いものだ。クセになる。しかし、敢えてそこから
      抜け出さない限りは、お前はA frog in a well don't know large sea
      なのだ」

何も英語で言わんでも……馴れ合い、今後は禁止ですか」

相手の顔色を伺い、またこちらも伺われる相互ご機嫌取りなど、
      お互いの矮小な自尊心を満たすばかりの害毒だ!
      寂しくなるかもしれんが、馴れ合いは排除しなくてはならん」

「先輩、もうこれでもかってぐらい同人のNGワード連発ですね……」

人間とは自我を安定させる為に、ある程度認められる場所が
     必要
だ。しかし、時にその安寧をかなぐり捨てなければ
      辿り着けない領域というのが、確実に存在するのだよ」

「もう下手に感想も言えないですよ」

「感想といえば、『一行メッセージ欄』とアクセス解析も撤廃だな」

「え!? あれが更新の大きな楽しみなのに」

「そういうツールをサイトに置くから、過疎化や感想の無い一日が
      恐くなる! 1日に何度もアクセス解析を見るのはやめろ

「そんなに徹底的に構造改革する必要があるんですか」

「小林よ……人間、敢えて真紅を噛み締めなければならない時がある」

「……先輩、漢字が間違ってます」

「サークル、バイト、同人、楽しかろう! しかし、今我々に必要なのは
      そういう安易な方向に向かう意思を断ち切る精神力なのだ!」

「ホントに4年間修行するつもりですか」

「中の人は今日、頭を丸めてきた」

「え!? あんなに『似合わない』と言われたボウズを敢えて?」

「坊主頭に、おぎやはぎみたいなメガネ……その風体は、もはや
      お笑い芸人以外の何者でもない

「入学式から12日目にしてモテへの道を諦めましたか」

「こんな恥ずかしい頭では女の子とも話せない。下手したら
      高校時代より女日照りはひどくなるだろう」

「しかし、昨年の自己推薦入試失敗の時も確か丸めてましたし、
     気合を入れるのに髪切るの好きですね、中の人

頭髪は煩悩のシンボルなのだ。髪を気にする事は、即ち
      異性を気にする事だと思わないか」

「全く、やることがいちいち極端というか……」

「後は、なるべく新聞は読むな。ニュースも見るな。読むのは
      英字新聞にしておけ……俗なものは極力避けるように」

「新聞を読まなくては、新しい知識が入りませんよ」

新聞を読むのはビジネスマンと中高生だけでいい。新聞は、
      お前の思考パターンを大衆と同じにしてしまう。テレビ欄と
      イベントのお知らせ、あとは漫画だけ読んでおけばいい。」

「……先輩、アニメはどうしますか?」

「ううっ……! そ、それはだな……」

「俗なものを避けるのなら、アニメもまた避ける対象……
     見ても良いのはアート系だけとかですか?」

「ARIAとカブトは毎週見たいんだけど……」

「先輩、どうして最後の最後にその2つを残すんですか

「どこかの漫画家は言っていた……『まんがは、おやつ』!!」

「そういう逃げ方をしますか!」

「食事というのは、3食+おやつによって理想的な栄養バランス
      保てるのだ。映画を見つつ、アニメも嗜め

「また例のトンデモ節ですか……」


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