べびプリ最前線で戦う男達・特別編

最終話

「いよいよ最後の戦いだ! 不安だけど……でも、今の俺には
     強化外骨格・ケルベロスがある!!」

<油断するなよハヤト。仮にケルベロスが万全であったとしても
     海晴姉相手で無事で済むとは到底考えられん>

「……ゴクリ」

<だが、征くぞ……全てを知る為に……>






「ちょっと待った! 俺も戦わせてもらうぜ!!」

「ナカジマさん!」

「お前ひとり、海晴姉とイイコトしようったって許さないぜ!」

「山田さんも……!?」

「いつまでも夕凪にひとりじめされていたら、海晴姉がスネるのう」

「みんな……勢ぞろいですね!」

「待て待て、我々ベ創研もこの一大事、参加させて貰おうか」

「ウェイウェイ! みんな、限界を突破して来てるんですよ!!








戦士たちが勢ぞろいしている……みんな、各々精魂
     尽き果てたのでは!?」

勝負というものは、なんどきでも限界の向こう側。
     皆この時が来るのを待っていたのだ」

「ここに来るまで、俺達は改めて18人分の更新を確認してやってきた

「一人一レスで今までやってきて、みんな死に掛けていたのに……!?」

「なに、これから4年、5年となく連載が続き、メディアミックスは私達の
    精神を容赦なく持って行くだろう?
こんな所で死んでいたら何も
    始まらないとは思わないか」

「今回のバレンタイン更新で、俺達かなり強くなりましたよね」

「ムツキどの、まだおわってはいないでゴワスよ」

「戦いに大輪の華を咲かせ、大団円と行こうではないか!」

<よぉし、皆聞け! この戦い、もはや策は無し!!
     全員一丸となってただ突撃するのみだ!!>

「「了解!」」

「さぁ、戦いの始まりだ!!」



///


数分後……



<すまんハヤト! も、もう持たん……!!>

<ケルベロスシステム 強制解除>

ぐぇぶっ!! が、外骨格があってもこのダメージ……!?

「ハハ……し、死体が……イチ……ニィ……数えるまでも無し、
   もはやお前と私以外は全滅よ

「あー、あー……」

「ナカジマさん、まだ意識が!?」

「いや、今地獄は超満員! もはやこの世の死人は生ける屍となって
    徘徊するしかないのだ!!」

「く、悔しい……もはやここまでなのか!?」

「アー」

「デスビームさんっ! あなたまで!?」



みんなとっても喜んでたし、とっても幸せそうだった――
きっと、今日私たち姉妹は世界一幸せな女の子だわ。



「ここまで言われちゃ、みんな死なざるを得ないか……」

「いいや、まだだ!」

隊長!? さっき一瞬で倒れたんじゃないんですか!!」

「わしは10年後の未来からマホウの力を使ってやってきた」

「ついに時間旅行まで習得されたのですか……」

「このスカタンめ! 若いお前がここでしっかりしなければ、べびプリは
     1年と続かず連載終了決定よ!!

「ど、どういうことですか……!?」

「此度のバレンタイン更新を皮切りに、べびプリはますます加熱するだろう。
    だが、かんじんの読者のトゥルー力が低ければ公野先生の御力を
    持て余し、しまいについていけなくなってしまうだろう

「質の高い作品とは質の高い読者によって支えられると……!?」

「その通り! ハヤト、我々べびプリ最前線は、たとえイナゴが同人畑を
    食い荒らしたとしても、また蘇る程の底力をもってして作品を支える
    ファンであり続けなくてはならない!!

「は、はいッ!」

ハヤト、魔法を使うのだ! さすれば道は開かれるだろう……」

「はい!?」

「わしが言えるのはこれだけ。そろそろ限界だ、わしは10年後に戻る……」

「隊長! 待って下さい……隊長!!」






「消えた……一体どうすれば……?」






「ええい、もうどうにでもなれ! はっぴーらっきーはねむーん☆







///


「くそっ! 生きるでもなく、あの世に行くでもなく、空気中でフワフワと
    漂うしかできないだなんて……」

「後はハヤトに任せるしかない……」

「さっき唱えた呪文、さて何が起こるのか……?」

「た、大変です、橘さん!!」

「どうした剣崎!?」

「ハヤトの姿が、消えました!!」

「だがおかしい……蒸発したとなれば、わしらの所に来るハズ……」

「……まさか!!」

「なんです、本部長!?」

「次元の壁を超えたか……ハヤト!!」

「な、なんだってー!?」



///


俺の名前はカミヤ・ハヤト。東京都ツバタ高校に通う学生だ。

元は身寄りの無い孤児だったが、ある日ひとりの女性に出会い

「大切な大切なたった一人の息子」として大家族の一員となった。

正直、いきなり母親と姉妹がいっぺんにできてしまって現実感が

湧かないし、いきなり普通の高校生になれたって事からしてまず

俺にとっては夢のような話。1ヶ月近く経った今、ある程度は慣れたけど、

今でもこれは何か冗談なんじゃないかと思っている。



――朝の7時半、家族暮らしになってから、昼夜逆転みたいな生活は

しなくなったけれども、夜更かしのクセはまだ取れなくって、早起きというのが

まだ中々できない……けど、起きなければ起きないでまた面倒なのだ。

氷柱のカカトが落ちてくるか、ヒカルの竹刀が脳天を割るか?

そうでなければ蛍のお小言か……諸々の頭がイタくなるようなビジョンが

目の前を駆け巡れば、否応無しにベッドから出ざるを得ない。

枕が上質過ぎるのは、快眠には良いだろうけど気持ちの良い起床には

ちょっと向かないんじゃないかと思う。



俺が部屋を出ると、他の姉妹もあくびをしながら部屋から出てくる。

ダイニングに向かって、眠気に後ろ髪を引っ張られるみたいにずるずる

歩いていると、蛍が向かいからやってきた。



もう制服に着替えてこれから出掛けるみたいだ。最近は卒業式が近いから

予行練習が朝からあるとかで、登校時間が早い。一応、「お見送り」は

俺の日課として言いつけられていて、踵を返して蛍と一緒に玄関へ向かう。



いつもなら「いってまいります!」と元気良く家を飛び出す蛍だけど、

今日は何か言いたげで、中々玄関のドアを開こうとしない。

どうしたんだろう? と思っていたら、まごついていた蛍は俯き加減に、

俺に「お願い」があると言った――



///


限界を超えた状態での魔法の使用となれば、もはやその結果は
    予測不能!
次元の壁を越え、真のトゥルーに辿りついたとなれば、
     ハヤトは今、とてつもない現場に居合わせているのかもしれん……」

「お、恐ろしい!……けど……

「なんと、羨ましい……」

「いてもたってもいられん! わしらも続くぞ!!」

「だが、一体何が起こるかわからんぞ!?」

「構わん! 向こうの世界へ行く可能性がたとえ那由他の彼方でも……
    わしらには十分過ぎる!!

<Happy Lucky Honeymoon☆>






「ガ、ガンダムが消えた!!」

「モビルスーツに先を越された! 俺達も続くぞ!!」

///


俺の名前はガンダム。東京都ツバタ高校に通う学生だ。

(中略)

妹の立夏は相変わらず落ち着きって単語が頭から欠損しているような奴で、

たまに疲れると思ったりもするけど、でもやっぱり小動物か何かみたいに

可愛く動き回る立夏を見ていると楽しい気持ちになる。

……じたばたしながらひっかかったベルトを直そうとする立夏、

残念ながらその方法ではこんがらがる一方である。

そこで、冷静なる兄が手を差し伸べる。

ニコニコしながらベルトを元通りにするのを待ってる立夏を見るにつけ、

こいつはもしかして計算ずくでこの時を待ってたんじゃないか? とか思ったりした。



///



――こうして、ハヤトをはじめとする19人の戦士達は

次元の壁を超え、各々の「バレンタイン」を迎えた。



///





「……バレンタインが、終わったな」

「ええ、そうですね……」

「海晴姉……やわらかかったなぁ……」

「青春をやりなおせた気がしたな……いや、これからまた、何度と無く、
    きっといつでもやり直せるんだろう」

「次元の壁を超えて、僕は知りました」

「……この戦いで、お前は何を知る?」

「血反吐を吐き、腹をカッさばき、混濁しながら僕達は戦いました。
      でも、向こうの世界には苦痛は何一ツ無かった

「ささやかな日常、幸せな時間。あわい、ときめき」

「トゥルーとは、あちらと溶け合う事。頭でワカっちゃいましたが、
      今ここで初めてそれを実感しましたよ」

「これぞ真のトゥルー。はちきれる程の幸せではなく、春の風のように
    胸をくすぐる淡い淡いときめき……

「なんか色々やってるうちに、もうあったかい季節になってきたな……」

「少し気の早い春一番でしたね!」

「帰ろうか、次はさ、ほら……ひな祭り? ホワイトデー?」

「此度のバレンタイン、いささか時間をかけ過ぎた。毎度毎度こうも
     大騒ぎしては、トゥルー家族に追いつかないぞ」

「本部の改修も、大幅に強度面を見直さなくてはな……」



――こうして、バレンタインは無事全員が生還したのである。


///


翌日


うっはあ! たまらん! スペシャルハグハグだと!!

「これまたスーパーゴールデンラッキーボーイだぜ!!」

ええい、また取り乱しおって! ……だが、かぁいいなあ

なんという元の木阿弥!! 前のバレンタイン更新でひとまわり
      大きくなったのでは!?」

「あのとき、真のトゥルーが目覚めたのは極限状態だったから
    他ならないな。まだまだ俺達、修行が足りないんだ

「だけど、きっとまた行けるさ! 俺達がマジレスし続ける限り、
    一歩一歩、トゥルーに近付くんだよ

「つまり、それは――」






オレ達の戦いは、
まだ始まったばかりだ!!










べびプリ最前線で戦う男達特別編・完



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