格納庫 「ようやく辿り着いた……そして、これが最後の端末か」
<ピリリリリリリッ>
「通信だ!
……剣崎?」
「ウェイ!
山田さん、そっちの様子はどうですか?」
「俺はどうにか生き残った……ようやく格納庫だ」
「俺もやっと研究地区の中心に到達しました」
「お互い、頑張ろうぜ……最後の最後でどうにもならなきゃ、
前に頑張ってくれた連中に申し訳が立たない!」
「そうですね……ご武運を!」
「ああ!」
<ガチャ>
「さぁ……一体誰が来る……誰でも、来い!!」
ちょ、ちょっと――
な、なんで私が――
乾杯をやらなきゃいけないわけ!?
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「ひ、ひょうちゅっ……!!」
わかったわよ――じゃあ、仕方ないから――
はい。みんな、準備はいい?
ほら、みんな――グラスを持って
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「聞こえる……氷柱の恥じらい!! これが、これが
本部全滅の原因か!!」
私たちの新しい下僕に――
……
わかってる、ちょっと言ってみただけじゃない!
ジョーダンよ。
そんな目で見ないでよ、ホタってば――
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「ホタってば――!!!!」
私たちの、お―――
お―――
オニイチャンと初めてのバレンタインデーと――
楽しいパーティーに――
かんぱーい!
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「オ ニ イ チ ャ ン とな!!!!!」
「ハァハァ……目の前がかすむ……氷柱……まさかここまでやるとは
思わなんだ……だが……まだだ……」
「い、いかん……!
体が言う事を……こ、これはまさか!!」
///
――数週間前
「先日、都内のあるアパートから変死体が発見された。ここにあるのは、
その検死体だ」
「……干乾びて死んでいる?」
「G'sマガジンが近くに放置してあった事を考えれば、恐らく彼は
極度の興奮によって血液の大半を蒸発させて死亡したと考えられる」
「それはわかるとして……どうにか、誰かに助けを求めるとか
できなかったんですかね?」
「現場検証に当たった捜査官は、一切悶絶するとか助けを求めるとか、
そういった動きが無いと言っている」
「な、なんだって……!?」
「我々はこのような現象を"萌後硬直"と呼んでいる」
「ほ、ほうごこうちょく……?」
「ああ、動物の脳は高純度の精神エネルギーを一定以上叩き込まれると
活動がショックで麻痺し、あらゆる運動活動が停止させられてしまうのだ」
「なるほど、それがG'sの破壊力の正体……!!」
「彼は精神的に不調をきたしていて、生活も不規則。感受性が非常に
不安定な状態だった……死ぬ、というのは非常に稀なケースだ」
「いや、最前線に立つ者にとっては他人事では済まされない問題だ。
このことはよく覚えておくよ」
「……これから公野神はより強力なものを繰り出してくるだろうが……
山田くん、どうか、死んでくれるなよ……」
///
「おかしな事件に巻き込まれて、手首切ってりゃ……はは、
こうなるのも無理はないの……か……」
「なんか寒気がしてきたなぁ……くそう……俺、死ぬのか……?」
「……!!」
「こ、こんな時にナカジマの顔が思い浮かんじまったぜ……
走馬灯ってやつか?」
「……山田!」
「懐かしいなぁ、シスプリ最前線っていうか、訓練兵時代からの
同期だったんだよなぁ……」
「こら、山田!!」
「……え?」
「勝手に走馬灯にするな!!
俺もお前もまだ死んどらん!!」
「ナ、ナカジマ!
もう動けるのか!!?」
「手持ちのモルヒネを全部使っちまった。正直危ないが、なに、
お前一人じゃ心細いと思ってな」
「ありがたい……が、この氷柱の更新の鬼ぶりは異常!
どうやって突破すればいいのか皆目見当がつかん」
「こんなこともあろうかと、これを持ってきた」
「それは……今月の電撃G'sマガジン!!」
「山田、毒を食らわば皿までだ」
「で、できるのか……そんなことが?」
「大丈夫!
シスプリ全盛期を思い出せ。あの頃と比べれば、
今の事態なんて危機の内にも入らない」
「た、確かに!!」
「俺もブランクでホタにはしてやられたが、あの頃のカンがあれば
まだまだイケる。山田、俺たちはシスプリ後も生きてるんだぜ」
「よし、やれるぜ!」
「最前線ナメんな!」
///
研究地区中枢
「これが最後の端末!
早速アクセスだ!!」
<ピピッ……>
「剣崎!
剣崎なのか!!」
「ハジメ!?
一体これはどういうことだ!!?」
「チビ達の相手をしていたら、こっちの世界から脱出できなくなった」
「困った事に……こちらでは神通力すら無効なのだ」
「このままでは、いつまでもちゅるちゅるの時間が流れるばかり!」
「何かよくわかんないですけど、えらい事ですね……」
「剣崎、俺たちを吸収しろ!!」
「で、できるのか!?」
「できる!
俺たちを一旦封印すれば、融合可能だ」
「よし、わかった……みんな、まとめて俺の所に来い!!」
///
司令室1F
「ようやく辿りついた……みんなの連絡からして、残りのシャッターは
あと3つ……正直危ういが……だが、僕だって最前線なんだ!」
「ハヤト!
待てハヤト!!」
「ほ、本部長!?
無事だったんですか!」
「間に合って良かった……ここのシャッターに潜むのは春風とあさひ!」
「ふ、二人も……」
「あさひは一人で当たれば大丈夫だろうが、春風からはとてつもなく
危険なニオイが漂っている」
「やれますかね……」
「最低3人は欲しい所だが……」
「3人!
もう、そんな戦力は残っていないのでは?」
「やむなしだ。こうなったらお前と私で――」
「ウェイ!
俺が居ます!!」
「剣崎さん!」
「剣崎、お前……吸収したんだな、ハジメたちを」
「なんだかわかりませんが、あさひと聞いては黙っちゃおれません!」
「そのペド魂!
間違いなくお前にはハジメが宿ったのだ!!」
「頼むぜハジメ、力を貸してくれ……」
<ああ!
ちっちゃい女の子なら幾らでもイケるぞ!!>
「役者は揃ったな……よし、突入だ!!」
「あさひは俺に任せて、2人は春風を!」
「わかりました!!」
あら――
あさひちゃん、とうとう寝ちゃったのね
きっと今日はいつもと雰囲気が違うから、あさひちゃんも
興奮しちゃったのかな?
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「体毛が……ピリピリする!
何かこのあと、途方も無い一撃が
来るぞ!!」
「べびプリに賭ける男が3人居て、勝てないものがありますか!」
ね、王子様も見て?
かわいい――
はやく春風もこんな赤ちゃんがほしいな――
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「こ れ は ! ! ! 」
「む、無理だァーーーーーーッッッ!!!」
「ほ、本部長!
ハヤト! しっかりし……ウェエエ!!」
///
「ハァー、ハァー、つ、氷柱がナンボのもんじゃ……」
「やったぞ山田……あとは、みんながどうにかするさ」
「お、おいナカジマ!
大変だ!!」
「どうした!?」
「本部長、ハヤト、そして剣崎の反応が消えた!!」
「なっ……!!」
「い、一体何が起こってるっていうんだ……」
「最後の最後……やはり公野先生は生きて俺たちを返すつもりは
無いらしいな……」
to be continued...
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