これまでのあらすじ。「バレンタイン更新」により壊滅した本部に集結した、各方面の
「べびプリ最前線で戦う男達」19人は、3手に分かれて行動を開始した。
北の司令室に向かったメンバーのひとり、横綱・櫻ノ海は激闘の末に
「立夏」を突破するも、足が破壊され行動不能となる。
一方、上空から直接司令室に突入しようとした本部長・ホーク1は
「海晴姉」に遭遇し、大混乱に陥れるという危機を迎えていた……。
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格納庫通路
「ふむ……ここにもシャッターが。気配から察するに、ここに
控えているのは……綿雪か」
「誰が行く?」
「フフフ……一番死に近い娘とあらば、私が行くのが適任であろう?」
「いや、ここは私に行かせてもらおう」
「神の加護をもたらそう、というわけだな?
まぁよかろう……」
「それでは……行くぞ……ぐぬっ!!」
ウォーーーーーーーーン
「おい、いきなりシャッターが開いたぞ!?」
「しかし妙だな。まだヘラクレス殿は端末から離れられん」
「皆……先に行け!
どうやら今日は、ユキにつきっきりで
居なければならないようだ」
「なるほど……バレンタインパーティーに具合の悪いユキ。
さらば、その時間まで一緒に居なければならないのは当然の事だな」
「恐ろしい……趣向を変えて持久型の仕掛けとは」
「ごふぅっ!!
パ、パーティーまであと何時間だ……?」
「恐らく夜までの時間を、異常な量の綿雪の愛情を感じながら
過ごすわけだ……羨ましいんだか恐いんだか」
「ト、トゥルー家族ならば姉妹相手に間が持たないとかそういう
事があってはなるまい。この試練、必ずや突破する」
「誰か傍でサポートした方が良いのでは?」
「ギリシャ神話なめんな!
先に行けい!!」
「わ……わかった!!」
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訓練室
「さて、この部屋では虹子が控えているようだが?」
「では、拙者が向かおう」
「異論無い。頼むぞ……」
「覇ッ!!!!!」
ウォーーーーーーン
「またも一発!
この展開の早さ……ジャンプの打ち切り漫画か!」
「流石はライデン。案外、この先は安心できる戦いになるのかもしれん」
「いや……拙者はもう一緒には進めぬ」
「ど、どこかをやられたとでも……?」
「何、ヘラクレス殿と同じだ……これから、虹子達と昼餉(昼食)でな」
「またも持久型、というわけだな……」
「なに、幾日もの篭城で、木の枝をかじって凌いだあの日を思えば
何だって乗り越えられる……」
「わかった……必ず、私達が全てを乗り越えてみせる!!」
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???
「今日の昼餉は……これは、春雨?」
「いや、ちゅるちゅるだ」
「ハジメ殿!
一体これは……?」
「俺は青空のシャッターにアクセスしてこうなってしまった。
来て早々、一日中青空のお守りをすることになったのさ……」
「これがちゅるちゅる……面白い味だな」
「どうやら持久型を突破した奴はここに集まるようだ」
「ちゅるちゅる……なんと、美味なる」
「……幸せだ」
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格納庫通路B
「感じるぞ!
飛び交う霊魂の数々!!」
「霊魂……となれば、ここはデスビームさんの番だな」
「ククク……相応しい娘がきおったわ……観月!!」
「スピリチュアル・バトルの始まりだ!!」
この日は――な。世間では愛の告白の日などと申すがの――
この日は生き霊が多く飛び交うのじゃ。
ああ――六根清浄。
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「ぐぬぬぬぬぬぬぬ!!?」
「デスビーム殿にはどうやら呪詛に聞こえるらしい……」
「ち、力が抜けていく……」
「ああっ!
どんどんデスビームの姿が薄くなっていく……!」
「ま、まだ召されるわけには……」
シュウッ……
「き……消えた!!」
「クソ!
一体どうなっちまうんだ!!?」
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司令室通路
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「今、上の方で大きく揺れましたよね!?」
「本部長とホーク1に、何かあったのか……?」
「何があったかは知らんが、我々は我々の務めを果たすのみだ」
「確かに……我々は残り3人、様子を見に行かせる余裕など無いな」
「あ!
シャッター!!
次は誰が控えているんだ?」
「この気配、恐らくさくらだ!」
「さくらか……節分更新の時の破壊力は凄かったな」
「わしとて無事に済む予感はせんな」
「拙者が行こう。インパクトの強い文章を書く娘に当たるには、
強い忍耐の持ち主こそが適任だ」
「やれるのか?」
「忍耐こそがシノビの本領。必ずや乗り越える」
「お願いします……宇賀忍法、見届けさせて頂きます」
ただいまかえりました!うわーん、今日はおそとがとっても寒かったです――
今日はさくらは幼稚園のお当番の日だったの。
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「ああ!
ホットミルク!
ホットミルクを沸かさなくては!!」
「しょっぱなから取り乱すなハヤト!
影蔵を見てみろ……」
「……」
「反応……ナシ……?」
だってね――
ちゃーんとがんばってお当番したら、
お兄ちゃんが
「いい子だったね」
って言ってくれるかなって――
思ったんだもん
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「……」
「うぐぐっ!
い、いい子いい子……いい子だ……!!」
「も、物凄くこそばゆいです……しかし、影蔵さんは動かないです。
気絶しているのでは?」
「頑張ったんだね、さくら。いい子だったね。」
「見ろ、あの冷静なマジレス……影蔵は正気だ」
ねぇ、お兄ちゃん――
誰にもナイショにしてね?
(中略)
そしたら、あちこちチョコだらけになっちゃって――
うわーん――
まだおからだからチョコのにおいがするよぅ……
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「アーーーーーーーーッッ!!」
「ぐわーーーーーーーッッ!!」
「わかった。誰にも言わないよ……さくらとだけのヒミツだよ。
今日もちゃんとお風呂に入らないとね。お兄ちゃんも一緒に入るよ」
「ハァハァ……外野の僕たちでもこんななのに、影蔵さんは……」
ウォーーーーーーーン
「開いたぞ!
影蔵、よくぞ乗り越えた!!」
「……」
「影蔵さん……?」
「……」
「た、立ったまま意識を失っている……」
「見て下さい隊長!
忍装束の下が血まみれです!!」
「これが忍者!
これが本物の戦士か……」
「行きましょう隊長。もうすぐ司令室です!」
「ああ、これは我々も……一片の肉片となっても戦い続けなくては
なるまいな」
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次々と襲い掛かる姉妹達の強力な更新に倒れていく戦士達!
朝が終わり、幼稚園が終わり、夜の「パーティー」に向けて
刻一刻と時間は進んでいく……
果たして、彼等は生き残り、バレンタイン更新を乗り切る事が
できるのか!?
戦いはまた一歩、佳境へと近付いていく……
to be continued...
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